テレワークを行う上で一番の課題と捉えられているのが、コミュニケーションの課題です。株式会社パーソル総合研究所が行った調査では、テレワークの課題として、どの年代でも非対面では相手の気持ちがわかりにくいという回答が最も多くなっています。
テレワーク実施率
テレワークをしている以上、コミュニケーションの不都合は仕方のないことでしょうか?世の中にはテレワークを行っても非常に高い生産性を上げている企業や、全社員がテレワークをしている企業も存在しています。
同様の課題がまったくないわけではなく、これまでの慣習を覆すような工夫や、独自の取り組みをしています。
今回はテレワークにおけるコミュニケーションの課題を解決するための工夫をいくつかご紹介します。
テレワークでのコミュニケーションの課題
これまで対面で行われていたコミュニケーションの多くは、テレワークでも同じように行うのは難しいです。
例えば「同僚に聞きたいことがあるのでちょっと声をかける」といったコミュニケーションは、お互いに社内にいれば相手の様子がわかるので声をかけることができます。
しかし、テレワークをしていると、当然相手の様子がわからないうえに、コミュニケーションが非同期(チャットなど)なので、聞きたい時にすぐに返事が返ってくるとは限りません。そのため、返信待ちが発生したり、聞き方によっては忘れられてしまったりすることで、やりづらさはもちろん、疎外感を感じてしまったりする場合があります。
テレワークを考慮したコミュニケーション方法の重要性は、今後高まってくると考えています。
テレワークでのコミュニケーションの工夫
コーヒーチャット
コーヒーチャットはチャットでの雑談です。人の集中力は30分〜50分程度しか続かない、と言われています。雑談や小休憩を挟むと集中力が回復し、クリエイティブな発想が生まれたり、信頼関係の構築にも一役買っています。
オフラインでは同僚と雑談することはあっても、チャットで雑談するのは気が引ける。という人も多いと思います。その場合、チャットツールで公式の雑談用のチャンネルなどを作成することをおすすめします。
オフィシャルに雑談をするための環境があることで、コーヒーチャットをするためのハードルが下がります。
予定を共有する
Google Workspace や Microsoft 365 などのコラボレーションツール、様々なグループウェアでは個人の予定表やチームの予定表を作ってそれを共有することができます。しっかりと予定表に予定を入れることで、その人が今何をしているのかを把握することができます。
また、在宅で勤務している場合は、ON、OFFの境目が曖昧になりやすいので、ミーティングなどの仕事の予定の他に、プライベートな予定を登録しておくこともおすすめしています。
プライベートな予定は他の人に見られたくない。ということが当たり前かと思いますが、多くのカレンダーアプリでは予定を公開するか、非公開の予定にするかを設定することができます。
スタンプ、絵文字、感嘆符などを使う
テレワークでのコミュニケーションを支えるチャットは文字でのコミュニケーションが基本なので、感情が読み取りにくいです。その一方で感情を深読みしすぎてしまう側面があります。例えばこんなやり取りです。
Aさん『XXXの作業をX日までお願いします。』
Bさん『はい。』
人によってはAさんの指示やBさんの返事はそっけない、冷淡と感じる、なんだか怖いと受け取ってしまいます。
そのため、スタンプ、絵文字、感嘆符(!)などを積極的に使うことで誤解や、深読みを避けることが大切になってきます。次のようにするとだいぶ印象が違うと思います。
Aさん『XXXの作業をX日までお願いします』
Bさん『はい!』
Aさん『XXXの作業をX日までお願いします🙏』
Bさん『了解です!🙆🏻♂️』
オンライン会議ではカメラをなるべくONにする
オンライン会議で相手の表情が見えないと、相手の反応が読み取れないので独り言を話している感覚に陥ります。
参加者が多い打ち合わせではマイクをミュートにすることが望ましいので、そうした打ち合わせの場では特に気をつけたいことです。相槌や身振り手振り、相手の目線、表情など視覚から得られる情報が加わると、「自分の話を聞いてもらえている」という感覚になります。
在宅で勤務している場合は、部屋が写り込んでしまうことに抵抗を感じる人もいると思います。その場合は、背景をぼかしたり、バーチャル背景などを使って、部屋が映らないようにすることがおすすめです。
多人数でのミーティングでは発言者以外はマイクをミュートに。少人数の場合は全員ONでもOK
チームのミーティングなどで全員がマイクをONにしていると、周囲の環境音や他の参加者の咳払いなどが発言に被ってしまったり、他の人が発言を遮ってしまったりなど、ミーティングの品質に影響を与えてしまいます。
多人数でのミーティングの際は基本的には発言者以外はマイクをミュートにすることをおすすめします。発言の際にマイクをONにします。
1on1や少人数でのディスカッションと言った、テンポよくコミュニケーションを重ねることが大事な場面では、全員がマイクをONしても問題ないでしょう。
オーバーリアクションする
スタンプ、絵文字、感嘆符などを使うことにも通じますが、オンライン会議ではこちらの表情が伝わりにくかったり、カメラの位置関係で伏目がちになると無表情に見えたりします。 そのため、オフラインでのコミュニケーションに比べ相手に感情が伝わりにくいです。
オフラインではちょっと大げさかなと思うくらい、うなずいたり、頭を抱えてみたり、リアルでいいね👍してみたりすると、より円滑なコミュニケーションが取れます。
まとめ
テレワークにおけるコミュニケーションのとり方といった課題は、ある程度の慣れが必要な部分は否めません。
テレワークがより普及するとテレワークの始め方といった情報よりも、テレワークによる課題を解決するためのベストプラクティスが増えてくると考えています。 テレワーク実施率の調査でも、コロナ収束後もテレワークを継続したいか、という問いに対しては、全体で78.6%もの人が継続したいと回答しています。
ワーク・ライフ・バランスの充実や、通勤時間の短縮などテレワークで得られる様々なメリットは仕事のやりがいや、人材定着、会社の魅力の一つと言えるので、ぜひ取り組んでみてもらいたいと思います。
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